国内盤中古でございます。
非常に状態の良い中古でございますが、紙ジャケットに幾分の使用感がございます。
2010年度DSDマスタリングでございますが、日本独自リマスターという感。
加えてBlu-specCD仕様でCDの解像度を上げたもの。
日本特有の高音中心で幾分杓子定規的ではございますが非常に良心的な音質となっております。
内容は言わずもがな。
ラインナップは興味深い名手揃い。
Daryl Hall(Vo & Key)、John Oates(Vo、G)、Christopher Bond(G & Key)、Clarence McDonald(Key、James Taylor他)、
Leland Sklar(B、御存知!The Section、Toto/Lee Ritenour/Phil Collins他サポート)、
Scotty Edwards(B、Stevie Wonder他ブラコン系セッション)、
Jim Gordon(Ds、ex- Derek & the Dominos、Traffic、Jack Bruce”Out of the Storm”他)、
Ed Greene(Ds、”MOTOWN”系で御馴染み、Jeff Beck”Wired”、Donald Fagen”Nightfly”他参加)、
Mike Baird(Ds、後に”Airplay”)、Gary Coleman(Per)他となります。
プロデュースはChristopher Bond、ストリングス/ホーンのアレンジも担当となります。
1975年米国カリフォルニア州”Larrabee Sound Studios”、同”Western Sound Recorders”での制作となります。
そもそもテンプル大学での邂逅がきっかけで結成のフォーク・デュオ”Gulliver”から始まるキャリア。
フィラデルフィア・ソウルの影響を強く受けているものの、
ソウル/(本物の)R&B等々ブラック・ミュージック、フォーク、ロック音楽、ポピュラー系と音楽性が混在しており、
その後ソウル・ミュージックとロック音楽の融合を漠然とした理想として”Daryl Hall & John Oates”と改名。活動を活発化させます。
Warner Brothersが契約に乗り出し、大物プロデューサーArif Martinの制作で登場。
されど、
音楽性の焦点が定まってない事があり鳴かず飛ばず。
John Oatesの故郷ニューヨークに拠点を移動、
前作の反省を基に再びArif Martin制作にて
2ndを制作。
当時商業的な成功は収められなかったものの高い評価を得、その自信を基にロック色を強めようとかのTodd Rundgrenを制作に迎え、
隠れ名盤3rdを制作。
前作でのBlue Eyed Soul系ファンに不評でセールス不振ではあったもののTodd Rundgrenに音楽性の有り方を相当仕込まれた模様で
音楽的方向性が確立。
Warner Brothersから契約解除されたものの大手のRCAが獲得に乗り出し、Christopher Bond制作にて新作制作に乗り出す........
.....
という経緯がございます.......................
タイトルからして再デビュー作の感がございます。
前作のTodd Rundgrenは昔ながらのプロデューサー。
「こうあるべき」とプロデューサー主観を良い意味でも悪い意味でもミュージシャン側に強いる方。
(ミュージシャン側にポピュラー性等々欠如している場合はそれを主観的に補うという面もございます.......”Grand Funk Railroad”等々.....
但し、かのXTCやCheap Trickというポピュラー性が武器というバンドでは解釈を巡り対立を招く事となりますが....................
例外はかの高野寛さんでございますが.....................「完璧で手を加える必要はない」と..............)
Todd Rundgrenに相当仕込まれた事から音楽性がスリム化した感があり、今作にて音楽性の基礎が固まった感があります。
そのTodd Rundgrenの呪縛(笑)やWarner Brothers特有の商業性(後にかの”Fourplay”も指摘)から離れた今作では伸び伸びとした感があり、
ソウル/ポピュラー系というDaryl Hall & John Oates独特のメロディアスさが全面に打ち出されており、
またロック音楽の躍動感やシンプルさが感じられるもの。
楽曲も粒揃い。一気に垢抜けた感がございます。
Daryl Hall & John Oatesと言えば後の多々シングル・ヒットで知られますが、そもそもシングル向けのあざとさが案外ないという音楽性。
(全盛期程の洗練さはございませんが)
今作でもコンパクトさがございますが、アルバム指向の楽曲が揃うという感。
シングル・ヒットのみで評価された、成功を収めたというミュージシャンではない事が伺えるものでございます。
但し、プロデューサーのChristopher Bondが彼らを”ロック/ポピュラー性を持つ興味深いBlue Eyed Soul系”と捉えていた感があり、
音造りを含めそういう枠を設けていた感がございます。
されど”Daryl Hall & John Oates”はロック音楽とソウル・ミュージックの融合を(当時は漠然とは言え)理想に掲げるミュージシャン。
質は非常に高いもののその設けた枠が彼らの音楽性に狭さや居心地の悪さを齎していた感がございます...........
リリース後は非常に
好評で
かの”Sara Smiles”の大ヒットが加わり、大ヒットを記録する事となります。
されどシングル・ヒットから”Blue Eyed Soul系”というレッテルが貼られる事となり、
商業性から来る音楽的制約と理想の音楽性を求めて葛藤が始まる事となります........................
この機会に是非。
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