希少大型図録本 中国印譜 書道全集別巻1 璽印 古璽 写真解説 側款釈文 古代?~近世の印章 印人の小伝 篆刻 出土発見の璽印資料一覧
鈕式 殷 宋? 金 官私印 殷璽 古璽 古陶文 秦印 前漢印 新印 後漢印 魏印 晋印 南北朝印 将軍章 私印 封泥 隋官印 唐?官印 宋?官印 金官印
文彭 何震 甘暘 朱簡 歸昌世 梁岌 蘇宣 何通 汪關 注泓 張瀬 程遠 周亮工 許容 林皋 高鳳翰 沈鳳 汪啓淑 陳錬 董洵 巴慰祖 胡唐? 鞠履厚 王聲振 丁敬 蒋仁 黄易 奚岡 張燕昌 陳豫鍾 陳鴻壽 趙之深 錢松 楊解 屠悼 徐楙 趙懿 胡震 鄧石如 呉煕載 呉咨 徐三庚 趙之謙 翁大年 王石經 胡钁 呉昌碩 黄士陵 徐新周 齊黄
宋?元?~明?末清?初 近世文人の篆刻 印章 文人篆刻 多数掲載
編集 中田勇次郎
平凡社
1985年初版第17刷
202ページ
約31.5x22.5x2.5cm
函入 ハードカバー 二色刷
※絶版
中国古代?から近世までの代?表的な重要印章印譜を精選して整理分類、
「中田書学」で高名な、中国書道史研究において質量ともに日本における第一人者、中田勇次郎が編集・解説。
周秦の古璽、漢魏六朝の印章は、中国が生み出した最も素晴らしく貴重な芸術作品であり文化遺産であるといえる。
後世篆刻をこころみる人々の典型とされているものであり、宋?元?・明?末清?初のから発展した近世文人の篆刻は、
書画と共に世界にも類例のない絶妙な芸術的境地に至る。
豊富な図版と詳しい解説で、極めて複雑で広大な中国の印章の長い歴史を、一冊で俯瞰的に網羅してみていく内容。
解説には、各作品の時代?、素材、印材、寸法、鈕、所蔵者、釈文、
第二部については印人94名についての小伝、使用印材や作風のみどころ、時代?背景なども加えて紹介。
側款のあるものはその釈文も掲載。
中田勇次郎による中国印章概説、
新たに出土発見された璽印資料の一覧表、年表など、内容充実の大変貴重な資料本です。
※実際には、璽印の「璽」の字は金偏に木、と表記されています。表示不可のため「璽」とします。
他にも、本書は基本的に旧漢字が主に使われており、特に人名等は表示不可のものは似たような漢字で表しております。
【凡例】より
さきに刊行した書道全集二六巻(中国篇15、日本篇11)この別巻として印譜篇を設け、本巻はその中国篇にあてて古代?から近世までの印章を選んで編集した。
本巻を二部に分ち、第一部には殷より宋?・金に至るまでの官私印。第二部には明?以降の篆刻を収めた。
第二部の図版は印人の年代?に従って排列し、それぞれに小伝を附し、また側款のあるものには釋文を施した。
年表は明?の萬暦元?年(1573)より現代?(1967)までとした。
中華人民共和国成立後新たに出土発見された璽印資料の一覧表を巻末に附した。
本巻の編集は中田勇次郎が担当した。
【目次】
別巻I 印譜 中國 中国
中国印章概説 中田勇次郎
序説 古璽 秦漢印 魏晋南北朝印 隋唐?の官印 唐?宋?の鑑蔵印 宋?金元?の官印 宋?元?士大夫の印章 文人篆刻の興起 集古印譜の流行 明?末清?初の篆刻 乾隆?時代?における篆刻の勃興 浙派 鄧派 道光以後の印章学 清?末・民国の篆刻 結語
第一部
圖版 図版
殷鉢 殷璽 古鉢 古璽 古陶文 秦印 前漢印 新印 後漢印 魏印 晉印 晋印 南北朝印 將軍章 私印 兩面印 牛通印 臣妾印 書簡印 四靈印
肖形印 鈕式(壇鈕・覆斗鈕・杙鈕・屈曲鈕・鳬鈕・亭鈕・鼻鈕・瓦鈕・橋鈕・龜鈕・辟邪鈕・蛇鈕・駝鈕) 子母印 六面印 封泥 隋官印 唐?官印 宋?官印 金官印
解説
第二部
圖版 図版
文彭 何震 甘暘 朱簡 歸昌世 梁岌 蘇宣 何通 汪關 注泓 張瀬 程遠 周亮工 許容 林皋 高鳳翰 沈鳳 汪啓淑 陳錬 董洵 巴慰祖 胡唐? 鞠履厚 王聲振 丁敬 蒋仁 黄易 奚岡 張燕昌 陳豫鍾 陳鴻壽 趙之深 錢松 楊解 屠悼 徐楙 趙懿 胡震 鄧石如 呉煕載 呉咨 徐三庚 趙之謙 翁大年 王石經 胡钁 呉昌碩 黄士陵 徐新周 齊黄
解説
年表
新出鉢印資料一覧 新出璽印資料一覧
挿図目録
図版目録
【中國印章概説】より一部紹介
序説
中國において文字を雕造したものに、もっとも古く殷の甲骨文があり、周の鐘鼎文があり、これについで秦の刻石、漢魏六朝の碑誌摩崖造像があり、またひろく鏡銘、瓦當文、土専文、陶文などにも及んでいる。鐘鼎文以下金銅玉石等の素材に騅造したものを金石とこ呼んでいる。鐘鼎は祭祀の吉禮に用いられるので、また吉金と呼ばれることもある。
鉢印のたぐいは普通は金石のうちに含めているが、その数も多く、特殊な性質と用途とをもっているので、別種のものとして取り扱うことが多い。その上、時代?を追うてその
鑑賞閲玩の發逹するとともに、書画と並んで篆刻藝術が成立し、今日ではまさに専門的な部門として、金石からは獨立して欝然とした一分野を形成している。
周秦の古璽、漢魏六朝の印章は、中國の生み出したすばらしい芸術作品であり、もっとも貴重な文化遺産であるといってよく、後世篆刻をこころみる人々の典型とされてい
るものであるし、宋?元?にはじまり明?末清?初のころから発展した近世文人の篆刻は、書画とともに、世界にも類例のない絶妙な芸術的境地をつくり出して今日に到っている。印
章の歴史はけっしてささやかなものではなく、きわめて複雑で広大な範囲をもって、中国三千年の歴史と歩みをともにするものである。まことに悠遠であるといわねばならな
い。ここでは古代?から現代?に到るまでの発達の歴史の概要を述べてみたいとおもう。
ほか
【図版解説・釈文】より一部紹介
魏印(原色版)
関中侯印 金亀鈕二六×二五粍 京都 藤井有鄰館
後漢獻帝、建安二十年(215)、曹操が、名號侯から五大夫に至る官爵を置いて軍功あるものに賞與した。関中侯はその一つで、名號侯十八級に次ぎ、等級は十七級にあたり、金印紫綬であった。崇徳侯と同じく名稱ばかりの虚封である。この官爵はそののち魏から晉代?まで置かれていたがそれ以後は廢止された。この印は篆文鈕式から見ておそらく魏のころのものと思われる。崇徳侯印とともに有鄰館所蔵金印の双璧と稱することができる。近年長沙の晉代?の墓から出土したものにまた金印龜鉦の関中侯印があり、この印とよく類似している。(中田)
崇徳侯印 金亀鈕二四×二四粍 京都 藤井有鄰綰
黄初元?年(220)、曹丕が漢獻帝から禪讓によって帝位を承けついだ。魏文帝である。魏書文帝紀によるとこの年一月、諸般の官制を改め、漢の諸侯王を崇徳侯とし、列侯を間中侯とした云々の記事が載っている。この印はおそらくこのときのものであろう。後漢の光武帝の十王の一人に東海恭王彊があり、その子孫に羨があり、この漢王族の羨が魏の受禪の際における新制度に従って崇徳侯に封ぜられたという。これに従うと、この印は魏王から羨に與えられたものであろうと思われる。ただこれは漢のとき列侯を封ずるには、はじめに土地をもってしたが、のちには美號をたまわったのに倣ったもので、封地を與えないで、ただ名稱ばかりの官爵であり、いわゆる虚封である。純金龜鈕。光彩は今なお新のごとく、篆文の遒勁豐茂なこと、鈕製の精妍なことにおいて諸印に卓越している。
ほか
【本巻執筆者】
中田勇次郎 大庭脩 須羽源一 林巳奈夫 平野顯照
装幀
原弘
【執筆者紹介】
中田勇次郎
その生涯を投じた研究は“中田書学”として広く知られる。
中国書道史研究において、質量ともに日本における第一人者。
日本の書道史家・中国文学者。大谷大学教授・京都市立美術大学など歴任。専門は書道史、中国文学。号は有廬、書斎を心花室と称した。
京都生。号は有廬。京都帝国大卒。書道や中国史を研究する傍ら、大阪市立大学などで教鞭をとった。京都市文化功労者。著作に『中田勇次郎著作集』『文人画粋編』『中国書道全集』などがある。平成10年(1998)歿、93才。
学問・業績
中田勇次郎は浩瀚な著述を残しているが、その研究分野は次の6つに分類できる。
中国文学の詩余 書道・書道史 文房清?玩 文人画・文人画論 篆刻
以上の中で中国文学の詩余(漢詩)の研究と書道史の研究に重きが置かれ殊に書道史の研究においては質・量ともに日本の第一人者であり、その著作は翻訳され中国や欧米諸国でも高い評価を受けている。
主な研究対象 王羲之・米フツ・黄庭堅・空海・貫名菘翁など
大庭脩
中国・敦煌から出土した古代?中国の木簡研究における日本の第一人者。
昭和?・平成期の東洋史学者 皇学館大学学長;関西大学名誉教授。
主な受賞名〔年〕日本学士院賞〔昭和?61年〕「江戸?時代?における中国文化受容の研究」,勲三等旭日中綬章〔平成10年〕
経歴聖心女子大学助教授などを経て、昭和?40年関西大学教授。文学部長を務めた。のち関西大学名誉教授、皇学館大学大学院教授。平成12年学長に就任。この間、6年大阪府立近つ飛鳥博物館館長を兼務。中国・敦煌から出土した古代?中国の木簡研究における日本の第一人者。中国の木簡の種類や使用法などを紹介、日本の木簡研究にも大きな影響を与えた。また、邪馬台国問題にも言及し、「親魏倭王」の金印の発見が邪馬台国の所在地の有力物証との考え方に疑問を呈した。著書に「親魏倭王」「木簡」「漢簡研究」「漂着船物語」など。
林巳奈夫
日本の考古学者。専門は中国考古学、特に青銅器・玉器。学位は、文学博士(京都大学・論文博士・1975年)。京都大学名誉教授。日本学士院会員。1995年勲三等旭日中綬章受章。神奈川県出身。
ほか