【M-51 FIELD PARKA】
1951年に米軍に正式採用されたM-51フィールドジャケットの上に着用するパーカーコート。
極寒期・地帯の戦地での移動や早朝・夜間の警備等で着用されていました。
アメリカ軍が経験したことのない極寒地で、通常の装備の上にレイヤーシステムを作る必要性から生まれたのがこの「M-51」。
M-51フィールドパーカーは第二次世界大戦後すぐに開発がはじまり、さまざまな改良を経て、1951年に軍で採用されました。
主に朝鮮動乱の寒冷戦域において米陸軍将兵に支給されました。 様々な気象条件に対応するため、脱着式のライナーやコヨーテ・ ファーのトリムのインナーフードが取り付けられました。
同じ名称 "M-51FIELD JACKET"の上から重ね着できる構造です。
シェルは最初期 (1951) が厚手のコットン・サテン。濡れて重くなり、 乾き難い事から次年度 (1952) より軽量薄手で撥水性の高い ナイロン・オックスフォードに変更されました。
ストレージ・ポケット内は起毛素材でハンド・ウォーマーの機能を持ち、さらに裾を 脚部に巻きつけるためのストラップが付いており、これにより強風時のバタつきが抑えられ、冷気が入らないように工夫されています。
朝鮮動乱で採用されたM51パーカーですが、動乱の早期収束と共に大量の在庫がサープラス品として市場に出回ります。
これに目をつけた英国のモダニスト達 (MODS) がスクーター運転時にスーツを保護する目的で好んで着用した事から 「モッズパーカ」 という愛称が付けられました。
M-51フィールドパーカーは年代により様々なバリエーションあり、初期の仕様は綿 100%、その後はナイロン混紡でちょっと ツヤがあります。 M-51 フィールドジャケット等の上から羽織ることを想定しているので表示サイズよりワンサイズ大きいです。
インナーは初期はドテラのような分厚いウール。その後パイル地に変化しました。
手袋を装着したままでも開閉できるように大型のファスナーに引き紐も取り付けられています。
1965 年にM-65パーカが採用されて M-51 の生産は終了しました。
モッズファッションとしては60年代イギリスで定着し、70 年代後半以降に日本でもモッズが浸透し、M-51パーカが彼らのマスト アイテムとなりました。本体(シェル)、ライナー、フードの新品はデッドストックのみ。
現在では、デッドストックの入手に関しては壊滅的な状況で、年に一度見かければ良いほうかもしれません。
USEDですら怪しいという程、希少な物になっています。
裾のドローストリングの扱いについて
後ろ見頃の先端が2つに割れていることから、M-51パーカーにフィッシュテールパーカという別名を与えることになりました。
しばしば、M-51パーカーの裾のドローストリングを2つに割れた先端を一つに閉じるために使うことがあるが間違いです。
正しい使用法は、パーカが温かい空気を密閉している状態を保つため、足の回りに巻きつくように、前身頃の裾から出たひもを
後ろ見頃から出たひもに結ぶようにします。 パーカーを極寒の空の下で着用するにこれが正しい方法です。
結ばない時はそのままダランと垂らしておくのが正解です。
M-51 フィールドパーカーは、後付けのパイル・ライナーを装着する事により、その防寒衣料としての機能を100%発揮します。
初期は、ウール・パイルタイプ初期厚手起毛素材使用タイプがあり、 採用のごく初期に製造使用され、現存数もかなり希少です。
後期は、ウール・パイルタオル地織タイプ で採用後期に製造・支給の本体部が軽量化されたタオル地織り仕様の(ライニングは
ナイロン素材の R/S 織り)タイプです。
フードについて
米軍における M-51 Field Parka は、本体のフードシェルにボタンで固定するコヨーテファー付防寒用アタッチ式フード仕様です。
M-51 Parka において、本来極寒期・地帯において使用される脱着式防寒フードはいざという時のために用意されていました。
今回のモデルは、ディテールは忠実に再現しつつ、より着易く、バランスを整えた仕様にしています。
縦と横のバランスを整え、より現代のスタイルにおいての機能美と着用美を目指して、調整し、製作しています。
ライニングは付けず一枚仕立てでシンプルに春夏に着たい作りにしており、春先や梅雨時期などにかなり重宝するアイテムです。
ライニングを付けられる仕様はそのまま踏襲し、本水牛ボタンを内側に縫い付けています。
ドローコードの先にはオリジナルの刻印入り弾丸チップを付けて高級感ある仕様に仕上げています。
サイズ感はオーバーサイズコートとして製作しており、大きめのサイジングになります。
【MATERIAL】
表地:イタリア LIMONTA 社 WATER-PROOF / WIND-PROOF / MOISTURE PERMEABLE
マットな質感で 1㎡あたり154gという軽さのハイマルチポリエステルを使用した生地を採用しました。
独特の柔らかさがありながら、光沢が出過ぎず上品な質感の素材です。ヨコ糸がストレッチタイプのポリエステルであることで
生地に適度な膨らみやハリコシも生まれ、着心地も抜群です。
機能性も高く、防風性・防水性・透湿性に優れているので、軽い雨風には耐えらる特性を持っています。
合繊アウター素材において、世界最高峰と言われたLIMONTA社のこだわり抜かれた最高級素材です。
SNAP 釦
1903年、世界で最初にスナップ釦を世に送り出した老舗メーカー。 欧米の高級小物(かばん、財布、ベルトなど)にスナップが使用されている場合、Fiocchi の刻印の商品が使用されているので あれば、品質がある一定の基準を満たしていると評される程の歴史あるドット釦です。
80年代にドイツの Prym 社に買収されて しまったのですが、弊社提携工場が当時の Fiocchi の在庫を買い占めた事で今回も採用しているのは、Fiocchi ITALY の刻印が 入った本物のボタンです。
ZIPPER
1983年に創業したRACCAGNI社。 世界に先駆けて新たなZIPPERを開発する傾向が強く、より洗練した完成度の高いZIPPERを絶えず開発しています。
その中でも最高級な 「 SUPER RACCAGNI 」シリーズを採用。 欧米のラグジュアリーブランドも採用する最高級 ZIPPERで磨き技術が非常に高いので光沢があり、滑りも滑らかなので、 非常に高級感漂うジュエリーの様相を持ったZIPPERです。