このデザインの銀貨は1931年〜1947年の4年間のみ発行された物です。
コインを見ていただいても分かると思いますが
「1947」の刻印があり発行度が明?確な個体です。
最終年度発行の一枚と言うことがどなたでも確認できるはずです。
この「バルボア」と言う通貨単位ですが、
これはスペインの冒険家「バスコ・ヌーニェス・デ・バルボア(
Vasco Nunez de Balboa)
」の名前から由来しております。
黄金の産地である「南の海にある黄金郷の国」
を目指し、
1513年に190人の隊で探索を始めたバルボア氏。
実際に黄金郷を発見することはできませんでした
が、
「ヨーロッパ人として初めてパナマ地峡を超え太平洋に到達した」その
功績で広く知られています。
今も世界の広い地域で英雄的な探検家として崇拝さ
れ続けているんですね。
で、代?表的なのがパナマ運河の太平洋側の港町のネーミングですね。
ここの名前が「バルボア市」です。
そうですね、パナマ共和国にある港町にして、パナマの首都です。
それほどまでにパナマとは縁が深くパナマではとても有名な人物です。
パナマの首都バルボア市には「このバルボア氏の銅像がある」ほどです。
通貨単位として彼の名前が採用されても何も不思議がない立ち位置の人物なんです。
ちょっと余談ですが「バルボア」と聞いて映画ロッキーの「ロッキー・バルボア」を思い浮かべる方もいらっしゃるかと思います。
このネーミング、イタリアのシルベスタ・スタローンの家があった「通り」の名前が「バルボアストリート」だった事にも由来していますが、
このストリートのバルボアと言うネーミングもこの冒険家バルボア氏から由来しています。
日本ではそれほど有名な人物ではありませんが、
太平洋の存在を知らなかったヨーロッパ人で初めてその大海を見つけた人物として・・・
「南の海」と呼ばれ太平洋と言う呼称すら存在しなかった大海をヨーロッパで初めて発見した人物として・・・
ヨーロッパ人の太平洋への行き来を容易にしたあの「パナマ運河」建設のきっかけを作った人物として・・・
パナマ共和国は元?より、ヨーロッパでは非常に有名な方です。
そんなバルボア氏の肖像が
表面には描かれているのがこのコインです。
裏面には左手にファスケス、右手にオークの枝を
手にした
女神がデザインされておりいます。
そしてその側には
パナマの国章があります。
その国章と女神の腕に掛かるリボンにはラテン語
で
、
「PRO MUNDI BENEFICIO=世界の利益の
た
めに」と書かれています。
正確にはヨーロッパのコインではなく南米のコインになりますが、
とてもヨーロッパ的な彫刻がなされており、
ヨーロッパ的な美しさがある一枚です。
ヨーロッパのコイン好きな方々にも十二分に楽しんでいただけるデザインだと思います。
またこの個体はMS63のグレードがある上に、スラブ内での劣化がほとんどありません。
画像でもご確認いただけると思いますが、
80年以上前のコインとしては非常に綺麗な状態です。
彫刻の彫りも深く残っており、エッジも良く立っています。
同年代?同コインの最上位鑑定はMS66+ですが、
再鑑定をしたら順位は上に上がる個体ではなかろうか?と推測できます。
スラブもかなり綺麗な状態です。
「傷ひとつない」と言ってしまうとウソになりますが、
傷はかなり少なく、目を凝らして真剣に探さないと見つからないレベルです。
トータル全体を見て「美品」であることは、この個体の美点となっていますね。