通常盤でございますが、
そもそもCD化に当たってはCDの規格に合わせて音を
(強調せず)
調整したもの。
現在ではリマスター全盛期ではございますが、ものによっては低音の強調や音の輪郭を角張らせるものがあり、正直リミックス感が感じられるもの。
加工品臭さの音質を嫌がる向きもあり
(オーディオファンを中心に)古い規格のCDが高値で取引される現在でございます。
何をか言わんや、でございます..................................................
内容は言わずもがな。
ラインナップは黄金のツインリード・ギターコンビ含む全盛期、Andy Powell(G、Vo)、Ted Turner(G、Vo)、Martin Turner(B、Vo)、Steve Upton(Ds)となります。
プロデューサーは前作と同じDerek Lawrence(初期Deep Purpleを手掛ける)、エンジニアは御存知!Martin Birch(後にDeep Purple、過度期Fleetwood Mac、初/中期Whitesnake、Iron Maiden、MSG等手掛ける。
またFleetwood Mac制作時にはバンド御馴染みの面倒な人間関係(笑)にも絡む......なんだかな~)。
前作同様、空間を生かした音造りで余計なオーヴァーダビングを控えたライヴ感のある優れた録音となっております。
後に登場するThin Lizzy、Judas Priest、Iron Maiden等々に代表されるツインリード・ギターバンドのルーツとして知られるブリティッシュ・ロックバンドでございます。
ブリティッシュ・ブルーズ/ロック系に絡む音楽性ではございますが、ブリティッシュ・フォーク系のメロディアスさが強い事がミソでございます。
ブリティッシュ・ロック特有のルーツ音楽解釈やアマチュア感覚が伴う音楽性でもございますが、ハードロックでもプログレッシヴ・ロックでもない当時独特の未分化時代ロック音楽の興味深さがございます。
リズム隊は御多分に漏れずジャズ系の影響が強いものではございますが、前作以上にそれを生かしたもの。また、音楽性もそれに伴い、垢抜けた非常に幅広いものとなっております(かのレゲエ的なリズムも加えた楽曲も.......)。
ツインリード・ギターの有り方も前作以上に非常に巧みなものとなっております。
但し、後に影響を与えるThin LizzyやJudas Priest、Iron Maiden等々に繋がるスタイルのものだけでなく、かの奇才天才Adrian Belew擁する”Discipline”King Crimson的なミニマム・ミュージック的でテクニカルな楽曲も存在。
同時期には(音楽性のスタイルは異なるとは言えども)King Crimsonが存在しており、非常に興味をそそられるものがございます。
アルバム本編には一曲ライヴ録音が含まれておりますが、後のDeep Purple”Live In Japan”の音質を彷彿させる所がございます(何せMartin Birchでございますし.........................)。
ギタリストの相次ぐ脱退(Eric Bell、Gary Moore)に頭を悩ませていたトリオ時代Thin Lizzyの頭脳Phil Lynottがギタリスト二名を加入させればどちらが抜けても大丈夫であろうとツインリード・ギター構想を思いついた事は知られております。
そのツインリード・ギターを要する音楽性への変貌に関しては、このWishbone Ashをかなり参考にしていた感がございます........................................よりメロディを強調したものとなっておりますが.........................
また後々にはEaglesを手掛けるプロデューサーBill SzymczykがWishbone Ashの制作に携わる事となり、
直後に手掛けた”Hotel California”とりわけタイトル曲後半のDon Felder/Joe Walshのツインリード・ギターの有り方の参考にしたのでは?とも言われます.....................................................................
この機会に是非。