日本独自リマスターでございますが、日本特有の高音系中心で杓子定規的な感がございますが、オリジナルに即しており、非常に良心的な音質でございます。
また紙ジャケットでございますが、日本初回リリース時の厚紙仕様を再現した感がございます。
ラインナップは名手揃い、Ritchie Blackmore(G、ex-Deep Purple)、
Roger Glover(B、現Deep Purple)、
Joe Lynn Turner(Vo、ex-Fandango、後にYngwie J.Malmsteen's Rising Force、Hughes/Turner、Sunstorm他)、
David Rosenthal(Key、オーケストラ・アレンジ ex-Morning Thunder、後にRed Dawn、Happy The Man、Billy Joel/Robert Palmer等のサポート他
)、
Bob Rondinelli(Ds、後にBlack Sabbath、Blue Oyster Cult他)となります。
前作”Diificult To Cure”が大好評であったものの、「貢献の割には(ギャラを含めた)見返りが少ない」と名手Don Aireyが脱退。
オーディション選考にて
後任にかのバークレー音楽院卒業後間もない名手David Rosenthalを獲得。
(在学時にはかのSteve Vaiと”Morning Thunder”なるバンドを組んでいたとか.................巨匠秋吉敏子、渡辺貞夫、小曽根真の学び舎で知られるバークレー音楽院でございますが
後には巨匠Gary Burtonが学長を務めており、
ジャズ系としても知られております。但し、個性派には賛否が分かれており、偉人故Miles Davisは一日持たず、巨匠Keith Jarrettは三日。名手Tom Scottは一週間にて退学とか..............)。
時代は八十年代。アメリカ中心のHM/HRブームが始まっており、Deep Purple含め過去のHR/HM系バンドに対しての再評価が高くなりつつあった時代でございます。
アメリカでの成功を目論むRitchie Blackmoreは自己の残した過去の音楽資産が気に掛かる事となります。
前作での実績を基にアメリカでの成功を目論むRitchie BlackmoreはDeep Purple時代のサウンドを指向。
ディジタル感を伴う
非常に色彩豊かな
前作と打って変わって、非常にハードでロック色濃いアナログ感伴う躍動感溢れる音楽性でございます。
シンセ中心でポピュラー感強いメロディアスさが目立つ前作で抑えられていたレインボウ特有の中世感のあるメロディ感覚が強調されており、また初期レインボウ時代に繋がるオーケストラ付帯長編曲も復活。
またハモンドオルガンを非常に重視している事がミソでございます。
八十年代に突入したもののDeep Purple再評価という事で嘗てのアナログ感重視の音造りとなっておりますが、ミキシングはディジタル機器を使用。案外
広がりを感じさせる音造りとなっております。
プロデューサーが
Roger Gloverという事があり、
音楽の隙間を非常に大切にする特徴やアナログ感重視からも、息苦しさを感じさせないもの。
オーヴァーダビングも案外控えられたものとなっております。
(前作程ではないにせよ、ディジタル絡みのアナログ感と言う事もあり当時通受けオーディオファンに注目された感がございます........八十年代初頭という事もあり、ディジタル音過剰化する以前の作品という事もございますが.............................)
前作、前々作と強く感じられたRitchie Blackmoreのポピュラー指向(何せ「ABBAが大好き!」とも宣う方ですし.................)が控えめとなり、ハード色が強められたもの。但し、Joe Lynn Turner在籍時では異色の感がございます。
アナログでハード感のある音楽性でRitchie Blackmoreの演奏がより前面に出たもの。Ritchie Blackmoreの演奏が表の鍵となりますが、裏の鍵はDave Rosenthalでございます。
前作から一転、シンセ機器は案外控えめの感。派手さが消え代わりにハモンドオルガンが目立つものとなり、当時のDeep Purple再評価に沿った感がございます。
Jon LordもDavid Rosenthalもアカデミックな背景も持つミュージシャンではございますが、何せDavid Rosenthalはプロとしては初のキャリア。
アカデミックさを背景とした演奏ではあっても、派手過ぎず地味過ぎず、的確なサポート感のバランスを非常に感じさせる新入り感のある音造りと演奏でございます..........................................................
”猫の目の様に変わる”Ritchie Blackmoreのギターサウンドではございますが、以前からの
乾いた感のあるあまり味付けをしないシンプルな音質を引き継義つつも、前作のディジタル
色彩感の強い洗練されたものを排除。
今作の指向する音楽性に合わせたとなっております。オルガンに合わせたよりアナログ・ハード指向とでも申しますか............................................................
また第二期Deep Purple時代ではベーシストとしては評価は低かったRoger Gloverでございますが、プロデューサーとして名を馳せた経験や様々なベーシスト起用が演奏者として相当な向上を齎した模様。
(そもそもソロイスト的な方ではございませんが)
色彩感溢れるシンセが消えた分音楽の空間が増えた事により、フレーズのセンスやリズム感覚等更に巧みなものとなり非常に唸らせるものとなっております。
Bob Rondinelliでございますが、音や演奏のセンスは非常に良いものでございます。
但し、前任に比べリズムのキレが弱く、モタモタしている事が玉に瑕でございますが、前作に比べかなり向上しております(タイム・キープ面でRoger Gloverのベースとズレが生じるパートが少なくなった感がございます)。
Joe Lynn Turnerは名ヴォーカリストPaul Rodgers/Lou Gramm系。非常に表現力が豊かで様々な音楽性に対応可能という器用さも持ち合わせており、後に
Ritchie Blackmoreのお気に入りとなる事が理解出来るものとなっております。
前作ではヴォーカル録り直しで前任のキーが高い事もあり、それに合わせた歌い方を選択した模様で、今作で本来の歌い方に戻り留飲を下げた感がございます。
サザンロック絡みのアメリカン・ハード系でありながらもかの”初期Steely Dan”的な音楽性を有する通受けバンド”Fandango”の音楽性にも携わっていた事もあり、今作ではRoger Gloverに変わりRitchie Blackmoreと共作に乗り出しており、
「メロディ重視ではあるがアクの強い音楽個性」と結びつき、独自のポピュラー感を持って中和する感のある音楽個性を発揮した感がございます。
バンドの重鎮名手故Cozy Powellが既にバンドを去っている事もあるのか? 更にRitchie Blackmoreのリーダー(独裁)バンド色が強くなった感がございます.......................................
前作の鍵を握ったアカデミック系名手Don Airey離脱という厄介な問題を乗り越え制作された作品でございますが、
とりわけアメリカでの評価も良いもので、「ご祝儀相場時1st
」
並のチャートアクションを奪回。
アメリカでのツアーも会場が大きくなったもののイギリス・ツアーは組まれず、(全体の
セールスは好調と言えど)
イギリス/ヨーロッパ圏では
前作より若干下回るものとなり、再びRitchie Blackmoreの頭に圧し掛かる事実となります.........................
更にはDeep Purple再評価の大きな動きを受けて”再結成”の動きが水面下で始まり、Ian Gillan側フィル・バンフィールドとRainbow側ブルース・ペインの両マネージャーが話し合いを持ち、そこにビジネス面が絡んでおり一度表面化。
(元メンバー
各自の
アメリカ市場での実績問題があり」)金銭を巡って難航。再結成に向けて自身の名バンド”Gillan”を解散させたIan Gillanは驚愕の
Black Sabbath
加入。再結成プランは一旦消滅となります。
また、新作に向けて音楽性の修正が図られる事となり、その一環としてBob Rondinelliを解雇。
セッション系の名ドラマーChuck Burgi(ex-Brand X、Daryl Hall & John Oates、後にRed Dawn、Meatloaf、Blue Oyster Cult他、現Billy Joel Band
)を起用。
”Difficult To Cure”で使用した”Sweet Silence Studio”、ハウス・エンジニアFlemming Rasmussenを再び起用し制作が行われる事となります........................
但し、水面下ではDeep Purple再結成へに向けての話し合いが持たれており、次作同時期リリースとなった(メディアには不評であった)Ian Gillan加入のBlack Sabbathが驚愕の成功を収めた事でビジネス面が動き出し、
再結成が現実味を帯びる事となっていく事となります........................................................................
エンジニアはかのNick Bolagonaでございます。後に再結成Deep Purpleの大傑作”Perfect Strangers”を手掛ける事でも知られる方でございます。
Deep Purple再結成へと(紆余曲折を経て)繋がる動きの中で非常に興味深い事実の一つでございます.............................................
タイトルはJeff BeckがJimi Hendrixを観た衝撃をRitchie Blackmoreに伝えた感想から取られた模様でございます..............................................
この機会に是非。
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