■はじめに
当アンプは出力管「6BG6」をラジオ技術2000年7月号 掲載の野呂伸一氏発表によるD-NFB(NFB for
Distortion only)を参考にオリジナル構成としたシングル・ステレオアンプです。
真空管もMT・GT・ST管を使用しバラエティに富んだアンプに仕上げました。
D-NFBにより低インピーダンス・低歪を両立しています。
■増幅回路
入力VRを経て電圧増幅管12AT7WAの片ユニットで信号増幅を、もう片ユニットは歪検出を担います。
カップリングコンデンサは世界で高評価のAUDYN-CAPメタライズドフィルムコンデンサーQSシリーズ
を使用しニュートラルな音質・癖のない均質な音で、接続方向性を有する拘りの一品を使用しています。
■出力回路
出力管6BG6は807の定格を向上させた様な球で、外観も807に酷似しています。
GT管用のUSソケットを使用していますので、色々な真空管に差し替えて音の違いを楽しむ事も若干の改造
により可能にしています。(改造は自己責任でお願いします)
カソードバイパスコンデンサは大容量コンデンサを使用し、低域の改善を行っています。
出力管は過酷な使用に耐える様、タフな構造になっていますのでプレート電流を多めに流し、電圧はやや
絞って最大プレート損失内に収めています。
よって音の中低域に押し出し感があります。
■整流回路
D-NFB回路は僅かな電源リプル成分を拾う様なので交流260Vを直接整流管に入れずファースト・リカバリ
ダイオード+フィルタコンデンサーを経て整流管GZ34に入れています。
この整流管はプレートに流れる電流が揃っている「双極マッチの特別選別品」を使用しています。
出力トランスのコアボリュームを大きく取ったので、十分なインダクタンスを有するチョークトランス
の設置場所が無くなったので、手持ちのROHM社高耐圧SiC-MOSFETを使った半導体フィルターを採用して
います。
また初段12AT7WAのヒーターはチョークトランス+大容量コンデンサにて直流点火しています。
■その他
ケースは両サイドに色付アルミを、前面と背面パネルは3mm厚アルミ押出材を使用しています。
底板は放熱対流用に数か所丸穴を開口し、熱の停滞を防止しています。
ケース前面にRCA入力とネオン色リング状に光る電源SWを入れました。
アンプ本体・真空管(12AT7WA・6BG6・GZ34)の他に取扱説明書、電源ケーブル、予備ヒューズが付属
します。