内容は言わずもがな。
ラインナップは個性派名手揃い。
故Keith Emerson(Key、ex-The Nice)、故Greg Lake(B、G、Vo、ex- King Crimson
)、Carl Palmer(Ds、Per、ex-Atomic Rooster)となります。
(後に故Frank Zappaが梃子摺る(笑)事で知られる)London Phiharmonic Orchestra、
また”Carl Palmer”サイドにはJoe Walsh(The James Gang、Eagles)等のゲストがございます。
最高傑作の呼び声高い大傑作5th「頭脳改革」では”展覧会の絵”の高評価・驚愕の大ヒットに大きな自信を得た)故Keith Emersonが
音楽性の全面に立ち、高評価の上に大ヒットとなったEL&P。
但し、以前からの度重なる制作/ツアーの繰り返しに疲弊したバンドは大傑作ライヴ盤を制作後に活動停止。
解散をも考慮に入れた)休息を取る事になります。
休養後のKeith Emersonはソロ制作を前提に作曲を開始。
The Nice時代からアイデアを温め続けたかのムソルグスキー”展覧会の絵”の再構築抜粋版を
デビューライヴからセットに加え、
後に
完全版としての完成を指向。
擦った揉んだの末にライヴ録音一発取り(音調整のみ。修正なしの筈)で制作。
粘り強い交渉の末リリースに漕ぎ着けるものの、(廉価版レーベルリリースというオチではあったものの)リリースすれば大ヒット、
という実績が上がり、
更には各作品でのバンドの大成功も伴っており、
名声と大きな自信を得た故Keith Emersonは「次はクラッシック作再構築/アレンジものではない、自身による作品を!」と
音楽的野心を打ち出した感があり、
”
ピアノとオーケストラの為のコンチェルト”を書き上げる事となります。
故Greg Lake/Carl Palmerそれぞれもソロ作
制作
前提に動き出していているものの、
各自単体の契約・リリースは各自や”EL&P”の名声があっても難航するとの故Greg Lakeのプロデューサー的な判断を下した感があり、
そもそも全員がオーケストラ付帯含むソロ作を指向していた事もある模様で
故Keith Emersonにコンタクトを取り、
各自ソロ作と(ファンが待望している)EL&Pの新曲を加えた”Emerson,Lake & Palmer”としての新作制作を提案し、説得。
本格的に各自ソロ作/EL&Pという異例の制作に乗り出す事となります。
”オーケストラ共演”:Keith Emerson”ピアノとオーケストラの為のコンチェルト”/Greg Lake”弾き語り”/
”Carl Palmer & Friends”/”Emerson,Lake & Palmer新曲”という異例の四面音楽性二枚組大作となります。
Keith Emerson”ピアノとオーケストラの為のコンチェルト”ではかの”ホルスト”を意識した作風の感があり、
スケール感や静/動のメリハリが非常に興味深いもの。
現代音楽家としての色を強く打ち出したもので、かの故富田勲氏との交流も頷けるものとなっております。
Greg Lakeは元来ギタリストでございます。
またかのKing Crimsonでは独特のヴォーカルアレンジが非常に高い評価を受けた事もあり、
自身のソロ面では(オーケストラ付帯とは言えど)それを強く打ち出した感がございます。
Carl Palmerは元来ジャズ・ドラマーを指向したミュージシャンであり、
”Carl Palmer & Friends”面では自身の演奏個性重視。
オーケストラ付帯とは言えど
他の二名とはかなり異なるもの。
どちらかと言えば”ジャズ・オーケストラ”を指向した感がございます。
オーケストラ付帯楽曲ではかの巨匠”Buddy Rich”を意識した音楽性の感があり、
似た時期に制作・リリースされた”The Roar Of 74”(かの名手Tony Levin参加)を彷彿とさせるもの。
ロック視点の”ジャズ・オーケストラ”の感がございます。
Emerson,Lake & Palmer新曲でございますが.........
後にKeith Emerson曰くの”音楽性の洗練は重要”という発言もあり、
以前では大仰で強烈・インパクト重視だった新兵器”Moog Synthsizer”の使い方も機材の進化と共に随分と変化してきており、
音楽性を含め興味深いものとなっております。
オーケストラ共演が作品コンセプトという事もあり”Pirates”はオーケストラ付帯となっておりますが、
Keith Emersonがオーケストラ・アレンジに関わっており非常に興味深いアレンジとなっております。
異色の大作とは言えど(以前程ではないにせよ)成功を収めた作品となりましたが、時代が非常に変貌した時期の作品でございます。
リリース当時は1977年、様々な分野のミュージシャンが八十年代という次世代に向けての音楽の模索が始まっており、
またイギリスでは”パンク/ニューウェイヴ”の台頭という事もあり、音楽性のコンパクト化が叫ばれる時代でもございます。
作品としては驚く程高品質なものでその時流に逆らった感のある作品がございますが、
その時代背景もあり「地味な企画」ともかのRobert Fripp(King Crimson
)曰くの「恐竜文化」とも揶揄される作品でもございます。
そもそも前作の大傑作”頭脳改革”でEmerson,Lake & Palmerとしてやるべき事はやったとの思いがKeith Emersonにはあった模様。
その後の休養も解散を前提のものではなかったか?との感がございます。
各自のソロ契約・リリースの問題から”Emerson,Lake & Palmer”名義を持ち出した制作ではございます。
その後の(失敗と言われる)オーケストラ付帯ツアーという意欲性はあれど、
それはKeith Emersonのソロの延長線上にあるものでしかなかった感がございます。
その後のEmerson,Lake & Palmerの(高品質とは言えど)契約消化感のある作品群や
その後の故Keith Emersonの映画音楽制作への転身を鑑みると見えてくるものがございます...................................................
そもそも故Keith Emerson自身は「ロック音楽分野で興味深い活動する現代音楽家」でございます。
そう捉える事が今作の理解の前提の感がございます。
Emerson,Lake & Palmer解散後は映画音楽制作に勤しんだKeith Emersonでございます。
かのAsiaの大成功もありシーンの表舞台に引っ張り出され結成した感のあるのがかのEmerson,Lake & Powellでございます。
(故Cozy powellのソロ契約が基となっていたプロジェクトであった模様でございますが.............)
そのEmerson,Lake & Powell制作時に取り上げたホルストの”火星”でございますが、
アレンジは今作のKeith Emerson/Carl Palmer/EL&P面を基とする感がございます...................................
そもそもEmerson,Lake & Powellの音楽性は後の”Works”のバンド制作旧D面の音楽性を基とする感がございます............................................
この機会に是非。