全作詞・作曲: 松任谷由実。
1.
「セシルの週末 -Ccile's Weekend-[注釈 1]」
松任谷正隆
5:28
2.
「時のないホテル -Hotel Without Time-」
松任谷正隆
4:14
3.
「Miss Lonely」
松任谷正隆
4:26
4.
「雨に消えたジョガー -A Runner Gone With the Rain-」
松任谷正隆
4:59
5.
「ためらい -Hesitation-」
松任谷正隆、杉真理
3:44
6.
「よそゆき顔で -Like I Don't Know You-」
松任谷正隆、杉真理
4:28
7.
「5cmの向う岸 -Between Those 5 Centimeters-」
松任谷正隆
6:24
8.
「コンパートメント -Train of Thoughts-」
松任谷正隆
7:16
9.
「水の影 -Shadows On the Water-」
松任谷正隆
4:02
●楽曲解説
セシルの週末
早熟な不良娘であるヒロインが、運命の人に出会って変わっていくという楽曲。
カバー:真璃子(1989年)、aiko(2002年)。
時のないホテル
東西冷戦時代のスパイが暗躍する世界をホテルになぞらえた曲。ヴォーカルが無線越しの声に聞こえるような演出が加えられている。ライブツアーでよく唄われる曲の一つで、『天国のドアツアー』でガスマスクを被って歌っていた。また、ユーミンが開催した大規模な音楽ショー「シャングリラ」でも、この曲を使って大規模なステージが披露され、曲の最後にはユーミンが立っていた吊り台(高さ10数m)からシルク・ドゥ・ソレイユの団員が飛び降りるという派手なパフォーマンスも行われた。
カバー:田島貴男(2002年)。
Miss Lonely
未だ戦争から帰還しない彼のことを、50年も待ち続けている老婆の悲哀を描いた曲。
雨に消えたジョガー
すれ違ったランナーに病で夭逝した彼のことを想い出す曲。曲中の “ Myelogenous Leukemia ” (ミエロジェーナス・ロイケーミア)とは、骨髄性白血病のこと。
ためらい
アルバム未収録曲のシングル「白日夢・DAY DREAM」(1980年のTBS系『おはよう700〜キャラバンIIコーナー』テーマソング)のB面。1977年の萩尾みどりへの提供曲。
カバー:宮崎美子(1981年)、増田恵子、斉藤慶子(1982年)、森川由加里(1989年)。
よそゆき顔で
マリッジブルーでナルシスティックな主人公を歌った曲。曲中に観音崎の歩道橋が出てくるがユーミンはわざわざ本当に歩道橋があるか調べに行ったという。また、当地域近隣に実際に歩道橋があるかどうかもリサーチされている[1]。シングル「ESPER」(シングルヴァージョン)のB面。歌詞に登場する「白いセリカ」は初代モデルといわれている。
5cmの向う岸
背が高いヒロインと身長が5cm低い彼氏の物語。1979年のイギリス・アメリカ合作映画『アガサ 愛の失踪事件』の中の背の高いヴァネッサ・レッドグレイヴと背の低いダスティン・ホフマンのキスシーンにヒントを得たとされる。TBS『ルージュの伝言』でドラマ化された(第23話、主演・中村基子、柳沢慎吾)。
コンパートメント
ユーミンのオリジナルの中では最長の演奏時間を持つ(7分16秒)。また、メインボーカルの使用音としては最高音にあたるF5(二点ヘ)が中間部に現れる。ヨーロッパの列車によくあるコンパートメント席(個室型乗客席)での睡眠薬自殺をテーマにしたヘヴィな作品。
水の影
1978年のシモンズへの提供曲(毎日放送系ドラマ『幸福の断章』主題歌)。シモンズ版は1番Aメロ(水面~)の歌詞が僅かに違っている。2005年から2009年までに放送されたNHK総合『探検ロマン世界遺産』エンディングテーマに使用された。
カバー:藤原道山(2006年)、チェン・ミン(2007年)、井上水晶(2012年)、小野リサ、和紗(2013年)。
●参加ミュージシャン
キーボード : 松任谷正隆
ドラム:林立夫、青山純、渡嘉敷祐一
パーカッション:斎藤ノブ
ベース:高水健司、後藤次利
エレクトリック・ギター:松原正樹、鈴木茂、今剛
アコースティック・ギター:吉川忠英、安田裕美
マンドリン:吉川忠英
サキソフォン:Jake H. Conception、斉藤清、砂原俊三
フルート:衛藤幸雄
ホルン:山田栄、沖田晏宏
ストリングス:トマト・ストリングス・アンサンブル
ヴァイオリン・ソロ:日色純一
コーラス:杉真理、Lilica、Leona、Clara
シンセサイザー・プログラミング:松武秀樹